3ヶ月で実現を目指す営業支援AIエージェントプロジェクト②(アーキテクチャ検討)
はじめに
前回の記事では、営業支援AIを活用したプロジェクトの企画構想について紹介しました。今回は、そのアイデアをどのような形でシステムに落とし込んでいるのか、全体の構成と動き方についてご紹介します。
実務利用を見据えた開発ステップ
このプロジェクトは、まず1ヶ月で基本的な機能を備えた試作をつくり、その後2ヶ月で実務で活用できるレベルのアプリケーションに仕上げる計画です。 今回ご紹介するのは、試作段階で構築したシステムの構成と、それがどのように提案支援を行うかという全体の流れです。
このAIで目指していること
営業活動では、お客様ごとに異なる課題やニーズに対して、最適な提案をスピーディに行うことが求められます。 このAIエージェントは、過去の商談記録や提案資料、自社サービスの情報などをもとに、営業担当の「調べる」「考える」「まとめる」といった作業を対話形式で支援する仕組みです。
どのように動くのか
ユーザーがチャット形式で入力すると、AIが営業シナリオに沿って複数のステップに分けて会話を進めていきます。途中でやりとりを要約し、社内ナレッジから必要な情報を検索し、最終的には提案の下書きまで作成します。
システムの全体構成
この仕組みは、主に以下のような構成で動いています。
- チャットUI:Webブラウザ上のチャット画面
- 対話エンジン:会話の流れをコントロールするAIエージェント(Azure Functions)
- 情報要約:ユーザーの入力を簡潔に整理し、次の処理に渡す仕組み
- ナレッジ検索:社内の提案資料やサービス情報を探すための検索機能(Azure AI Search など)
- 提案生成:対話と検索結果をもとに提案のたたき台をつくる生成機能
処理の流れ
実際の対話は以下のように進みます:
- ユーザーがチャットUIで課題や相談を入力
- AIが「どのような話か?」を判断してシナリオを決定
- シナリオに沿って2〜3の質問を投げかけ、情報を整理
- 対話の中間で応答を要約し、文脈を明確にする
- 社内データから関連情報を検索
- まとめた情報をもとに提案文を生成
- 提案の下書きをチャット上に表示
今後の展開
このシステムは、単なる試作では終わりません。今後は次のステップとして、以下のような改善を進めていきます。
- 会話のパターンや設定を柔軟に変更できる仕組みの導入
- ユーザーの入力ミスや曖昧な表現への対応強化
- 提案のフォーマットや文体を調整できる機能
- 実運用を見据えた管理とセキュリティ設計
次回予告
次回は、今回ご紹介した対話の仕組みが裏側でどのように制御されているか、Azure Functionsを使ったフロー制御の考え方について紹介する予定です。