クラウドアーキテクトのプロジェクト紹介

実務で使える生成AI関連プロジェクトのPoCから実装まで紹介します。

3ヶ月で実現を目指す営業支援AIエージェントプロジェクト④(関連情報の引き出し方)

はじめに

営業支援AIエージェントの開発を進める中で、「情報をどう集めて、どのように提案に活かすか」は重要なテーマのひとつです。今回は、AIがどのように社内情報を探し出し、それを提案の材料として活用しているのかを紹介します。

なぜ“検索”が必要なのか?

ユーザーがAIに相談する時、知識だけでは答えきれない場面が多くあります。特に営業では、過去の提案事例や製品の詳細情報など、具体的な根拠が必要です。こうした情報をAIが取りに行けるようにすることで、より実用的な支援ができるようになります。

AIはどうやって情報を探すのか?

このプロジェクトでは、AIが会話の流れから「必要な情報」を判断し、社内のドキュメントを検索して、参考になる内容を引き出す仕組みを採用しています。具体的には、以下のような手順で情報を取得しています:

  1. ユーザーとの対話を要約し、「何を調べたいのか」を明確にする
  2. その意図をもとに、社内資料を探す
  3. 見つけた情報を使って、AIが返答や提案文を作成する

情報の探し方:意味を理解して探す

AIが情報を探すときに使っているのは、「言葉そのもの」だけでなく「言いたいことの意味」を読み取って検索する方法です。これは、単なるキーワード検索ではなく、質問の背景や文脈を考慮して探すやり方です。

さらに、検索の正確さを高めるために、2つの方法を組み合わせています:

  • 意味の近さで探す方法(ベクトル検索)
    例:ユーザーが「小売業向けの事例を知りたい」と言えば、AIは「スーパーマーケット」「ECサイト」など似た意味の事例を見つけることができます。
  • キーワードの一致で探す方法(通常の全文検索
    特定の製品名や業界名など、明確な言葉が使われた文書も、見逃さずに拾えます。

この2つを組み合わせることで、「あいまいな相談」にも「具体的なワード指定」にも強い検索が実現できています。

どんな情報を対象にしているのか?

現在、AIが検索する対象は主に以下のような社内情報です:

  • 過去の提案資料や商談記録
  • 製品・サービスの詳細資料
  • 営業部門向けのFAQやナレッジベース

これらをAIが読みやすく整理し、「いつでも、必要な時に取り出せる」状態にしています。

検索した情報の使い方

検索で見つけた内容は、そのまま引用するのではなく、AIが複数の情報を組み合わせたり要約したりして、ユーザーの相談に合った形に再構成します。これにより、「ちゃんと考えてくれている」と感じられるような提案ができるようになります。

おわりに

AIに「調べてもらう」ことができるようになると、業務の幅は大きく広がります。営業支援AIでは、人が過去のナレッジを手作業で探す手間を省きながら、より質の高い提案につなげることが可能になります。

次回は、このように集めた情報をAIがどうまとめて、「提案のたたき台」を作っているのかについて紹介していきます。